ちょっと思い直し

おととい書いた川の本のこと、「待てよ」と、少し思い直しまして。


新たにある川の「自然」の項(建設省担当部分)を読んだところ、この著者は、地勢、気象などの、いわゆる「自然」部分と、「治水」の部分とをきちんと分け、整理して書いてました。用字の誤り(少々古い)はあるものの、一読して頭脳明晰な人という印象。
このように整理されていれば、治水工事の専門家として語る数字も価値を増し、資料として質の高いものとなるでしょう。


とすると、構成上、内容をごっちゃにしたのは誰?
言い方を変えると、「治水こそ自然」みたいな書き方を許す構成にしたのは誰?
編集者?
いやいや、力関係からして、それはなさそう。
この本がどういう経緯で作られたかを知らなければ、真相不明ではあるのですが。


建設省の担当部局(の上の方)で「こういう全集を作ろう。各河川を『自然』『民俗』に分けて構成」と決めてしまった。
各河川の執筆者の中に、「なんかそう決められちゃったけど、この構成は内容と合ってないよね」と考えた人がいた。
その人は組織人として決められた枠は守るけれど、できる限り自分に恥じない良い仕事をしようとした。
……のかな。どうもそんな気がする。
「役人ってやつは!」と、十把一絡げにしちゃいけません。


本から直接得られる知識だけを拾っておけばよいものを、余計なこと考えてますね。まあ、考えちゃうもんはしょうがないですわね。