平家物語(四)


来年のNHK大河が平清盛だと聞いて、なんとなく久しぶりに平家物語を持って出ました。
平家物語好きなんでついつい……講談社学術文庫(底本は覚一本)、「信連」の段がある4巻目を。
信連なんて、ドラマには出てこないだろうなとは思いますが。


高倉宮を警備する信連が、乱入してきた平家方に向かって言うせりふはもう、何度読んでももののふの美しさ全開。ときめきます。こんなかっこいい男のひと、どこかにいないかな。

物もおぼえぬ官人どもが申様かな。馬に乗りながら門のうちへ参るだにも奇怪なるに、下部共参(ッ)てさがし参らせよとはいかで申すぞ。左兵衛尉長谷部信連が候ぞ。ちかう寄(ッ)てあやまちすな。


確か小林秀雄氏がどこかへ書いてたと思いますが、大勢の敵を相手に斬り合う信連の上に、月が出る。その場面の美しさったら。
こういう平家物語の魅力がちゃんと出るドラマだといいですね。たぶん見ないけど。