飯豊のナラ枯れ
ナラ枯れについては時折、県ごとに「昨年より増えた」「急減した」「隣県から被害が近づいてきた」等の調査結果が発表されます。
でも、移動自由な虫が媒介するものですから、行政区分に意味はありません。
どこの都道府県にとっても対岸の火事じゃないってことです。
関心を持ってくださる方が、少しでも増えてほしいと思います。
昨年と今年、飯豊山(いいでさん)を源とする玉川の支流(山形県)へ釣行した際、ナラ枯れの現状を目にする機会がありました。
ついでに撮影した記録程度ですが、アップしておきます。
携帯電話付属のカメラで撮ったひどい写真でも、だいたいの様子はわかるかと思います。
「川のアルバム」と重複しているものもあります。
【昨年──2010年9月4〜5日】
赤茶色に見える木が、ナラ枯れ病で立ち枯れした木です。
立ち枯れた木の根元には粉のようなものが降り積もっています。
ナラ枯れ病の原因をつくるカシノナガキクイムシが木を食い荒らしたあとだそうです。
林道沿いの枯れ木には伐採用?の目印のテープが巻かれていました。
【10カ月後──2011年7月9〜10日】
山を遠目に見るぶんには、まるで被害がないかのようです。
冬の間に赤茶けた葉が落ちて、色彩的に目立たなくなったからです。
枯れ木は、もやっと白っぽく見えます。
近寄ると、枯れ木は完全に枝だけになっているのがわかります。
ここに写っている枯れ木はかなりの大木な上、林道の対岸にあるため、伐採・運び出しは困難でしょう。
こんなふうに枯れたままになっている木は、山の上の方だけではなく、川沿いにもたくさんあります。
昨年見た林道沿いの枯れ木はきれいに伐採されていました。
しかし、林道から急斜面を下った川沿いでは、枯れ木が切り倒されたままになっていました。
【さらに2カ月後──2011年9月23〜24日】
今年7月とほぼ同じ地点から山を写したものです。
赤茶色に写っているのが、今年新たに枯れた木、ということですね。
↓今年7月の同地点の写真再掲。上と比べてください。
この木にはまだ枯れ葉が付いています。今年になって枯れたと思われます。
*1:基本的なことは、林野庁のページや、神戸大学教授・黒田慶子氏の「ナラ枯れ(ナラ類の集団枯死)」や「ナラ枯れ増加から見えてきた『望ましい里山管理』の方向(森林技術8月号より)」などが参考になるかと思います。