義経鍋

「食」カテゴリ作ってみました。昨晩の夕食、義経鍋の話をば。



義経鍋というのは料理名ではなく、調理器具としての鍋の名前です。南部鉄器で、中央に小さな鍋、周囲に4つか5つに区切られた鉄板があります。
全体の形を「義経の刀の鍔(つば)」に見立てて、義経鍋と言うんだとか。


この鍋と初めて対面したのは、多武峰観光ホテルでした。*1 紅葉の名所・談山神社のお向かいのホテルの名物料理なんです。これがもう、今でもだんさんと「うまかったねえ」と回想するほど、おいしかった。
以下、ホテルの説明から引用。

鍋の中央部で主に山菜を水炊きして頂き、ポン酢で召し上がって頂きます。かも、牛肉、猪肉、鶏肉、ウズラ肉などは、回りの鉄板で焼いて、特製のタレで召し上がって頂きます。


今風に言えばジビエみたいな感じですか。
この鍋、鉄板部分は微妙に傾斜していて、縁のポケットに肉の脂がたまるんです。これを野菜などに付けて焼くわけです。うまいです。そりゃもう、うまいです。「奈良にうまいものなし」とか言う輩は、この鍋を食べていないに違いない。


で、これをうちでやっちゃおう! と、義経鍋を手に入れたわけです。
しかし、鴨だの猪だのウズラだの、野趣あふれる肉は手に入りにくいので、普通の牛肉などを使いました。


この日の食材は、こんな感じ。

  • 鍋用に、白菜、春菊、長ねぎ、しめじ、豆腐。たれは手作りなんちゃってポン酢。
  • 鉄板焼き用に、牛肉(ごま油+にんにく+塩+叩いた脂身で下味)、小さなホタテ、しいたけ、にんじん、かぼちゃ、ししとう、甘長唐辛子、油揚げ、餅、ぺったり餃子(鮭缶+マヨネーズ+醤油を平たく包む)。たれは腐乳ごまだれ、ねぎ塩だれ。
  • 薬味は柚子胡椒と、トムヤムペースト。


いやいや、おいしかったですよ。鍋のおかげですねえ。
ホットプレートでも似たようなことはできるでしょうけど、なんだか鉄で焼いたものっておいしい気がします。


ただ、南部鉄器、輻射熱がすごいんですね。長々使っているとカセットコンロの安全装置が働き、火が消えます。
ボンベにかぶると怖いので、鍋の下に五徳を一つ入れてかさ上げし、中心からずらしてたんですけど、それでも結構熱くなるようです。カセットコンロで使う場合は、よくよく安全に気をつけないといけません。


【その後わかったこと】
真ん中の鍋部分を45度回転させてセットすると空気穴?が空き、ある程度熱が逃げるような構造になっていることが判明。これだと安全装置も働かないみたいです。でもカセットコンロの取り扱いには慎重です。恐がりなんで。

*1:このホテル、従業員の方々がすごく感じのよいホテルでした。景色もいいし、また行きたい宿の一つ。