川の流れるところ


たまには川のこと。川の日記ですし。


用事あって飛騨高山のだんさん実家へ出かけた帰り、庄川の支流で、半日ばかり釣りをしてきました。
東海、近畿のフライマンに人気の川だそうです。なるほど、いい感じで石があり、開けてて、フライ向きかもですね。



震災の影響か大型連休最終日だからか、去年の夏に見に来たときより人は少なかったのですが、それでも人はたくさん入ってました。
しかしなんとか、こんなきれいなイワナも釣れました。
小さいけど、尾びれの大きいこと!


上流へ行くほど釣れなくなっていったんですが、先行者がいたせいかもしれません。
しかしこの川、少し気になったのは、流域にカラマツが多かったこと。


カラマツはマツでも落葉樹で、葉が茂っている時期以外は、写真(上・下)のように明るい森になります。「高原」「別荘地」って感じがします。実際、そこらには別荘やキャンプ場がありました。


高原地帯ではよく見るこのカラマツの森、高度成長期に木材需要が増えたとき、成長が早いからって林野庁が率先して大量に植えたものだそうです。
ただ、材木としてのカラマツはヤニが多かったりねじれてたりで、あまり上等じゃない上に、加工するのも難しいらしいのですね。


でも、育つまでにはそのへんをなんとかする技術が開発されるであろう、という見通しの元に、大量に植林されたとか。
未来に対する楽観が、いかにも高度成長期らしいです。


しかし、高度成長期の後、木材の需要は低迷。外国の安い用材も入ってくるし、わざわざ使いにくい木を使わなくてもいいや、ということになって、放置されているカラマツの森が、たくさんあるんだそうです。*1


よく「森林の保水力」の話になると、針葉樹の人工林はダメ、ブナでないと、みたいな話になります。
でも、針葉樹の人工林でも、土地に合った樹種を植え、適切に手入れをすれば、保水力も健全に保たれるのだと聞きました。



各地の川で、こんなふうにえぐれた川岸をよく見かけます。大水が出ては繰り返し削られてこうなるのでしょう。
川自体がさほど急じゃないところでこういう光景を見ると、源流部の山を、つい心配してしまいます。


しかも下流の方は、市街地の都合に合わせて川を真っ直ぐに直したりするでしょ。
山を直登するのと、くねくね曲がりながら登るのと、どちらが傾斜が急かを考えればわかること。川を真っ直ぐにするとそのぶん傾斜が急になります。つまり、急流になります。


保水力のない山+急傾斜の川→鉄砲水が出る→堰を造る→川が寸断される→・・・。


川はどこを、どんなふうに流れてるのがいいんだろう。そんなことをうざうざと考えます。
まあ、釣りしてるときは忘れてますけど。

*1:集成材なんかにそこそこ使われてはいるようですが。