藤沼ダム、石淵ダム

だからどうという話ではなく、とにかく記録しておこうと思います。


東北関東大震災震度6強を記録した福島県須賀川市で、農業かんがい用ダムが決壊しました。これにより下流の家が流され、死者・行方不明者が出ています。

ダム決壊 5棟流出 福島・須賀川
福島県須賀川市にある農業かんがい用の藤沼ダムが11日、決壊した。流域の家屋5棟が流され、8人が行方不明に。12日午後3時までに4人の遺体が見つかった。
決壊は地震直後だったという。泥流が流域の家屋や田畑を襲った。流されなかった住宅も流木に壁を打ち抜かれたり、泥流で家具が押し流されたりする被害に遭った。
ダムの約1キロ下流に住む農業小川祐治さん(68)は「ガラガラガラと変な音がして自宅を出た。大木が一気に流れてきた。恐ろしかった」と振り返った。
自宅の床上が泥水で浸水した無職男性(48)は「鉄砲水が来たので110番した。いくら巨大地震といってもダムが弱かったのでは」と話した。
藤沼ダムは1949年完成した。えん堤は高さ18.5メートル、長さ110メートルで貯水量は150万立方メートル。土の堤の一部をコンクリートで補強していたという。
(片桐大介)

(2011年03月13日河北新報社


藤沼ダムは高さからし河川法上はダム扱いですが、ほとんど堰みたいな小さなダムです。*1
須賀川市では周辺を「藤沼湖自然公園」として整備していて、人々に親しまれていた様子がうかがえます。


もう一つ、岩手県石淵ダムではダムの堤体にひびが入りました。

埼玉・幸手の江戸川堤防が陥没 岩手の石淵ダムにひび
国土交通省によると、埼玉県幸手市の江戸川で右岸側の堤防(高さ約8メートル)が200メートルにわたって陥没した。対岸の千葉県野田市でも堤防ののり面が200メートルにわたって崩落した。岩手県奥州市北上川水系の石淵ダムではダムの最上部でひび割れが見つかった。

(2011年03月11日朝日新聞社


石淵ダムは高さ53m、これも約60年前に作られた古いダムで、現在下流に建設中の胆沢ダムが完成(2013年予定)すると、ダム湖に沈んでしまう運命です。
2008年の岩手宮城内陸地震では石淵ダム周辺の震度は6強、このときも堤体が変形しました。

*1:後から、決して「ほとんど堰みたい」とは言えないと思い直し訂正しました。