忘れっぽい

先日のハンガリーの「赤い津波」事故は、有害な泥水がドナウ川まで達したとのこと。有毒な物質を含むアルカリ性の泥だそうで、生物が完全に死滅した川もあり、一面に赤い泥で覆われた村々は、もう人間が住むのは不可能なようです。
まさにチェルノブイリのように、一地域から人の営みが消えてしまうのです。


この赤い泥はアルミの精錬の際に出るスラッジ、「レッドケーキ」といいます。これの貯め池なんて、日本にあるかどうかさえ知らなかったのですが、twitterで教えてもらいました。
アルミの精錬は日本以外で行われており、レッドケーキはインドネシア、豪州アボリジニー地区、ブラジル・アマゾンなどに残されているのだそうです。
さらに、アルミ精錬に必要な電力を得るために、それらの国々では大規模なダムが造られ生態系が壊れ人が都市部へ流入してスラム化し…


もうなんかめまいがしてくるんで、こちらのサイトを読んでください。
リサイクルが地球を救わない理由


ところで10月号の National Geographic はメキシコ湾の原油流出事故を特集していました。それで、ああ、と思い出しました。忘れてたんですよ、この事故のこと。*1
そういえばこの事故も近頃めっきり報道されなくなってましたね。先月だったか、「流出が止まりました宣言」が出てからは特に。


で、今日、検索してみました。するとニュースに出てきた共同通信配信の記事は、なんと、ハンガリーの事故に関連したものでした。

流出した物質は異なるものの、APはこの推計を踏まえ、(ハンガリーの事故は)メキシコ湾原油流出に匹敵する事故と伝えた。

これ、量の比較の話です。どっちも流出量が約6〜8億リットルなんだそうです。
・・・量って。
ここで出てきた「メキシコ湾」は、「ハンガリー」にハクを付けるような意味合いしかないみたいですね。


本当に私は忘れっぽい。いろんなことを忘れます。
メキシコ湾のことを忘れたように、ハンガリーのことも忘れるでしょう。チェルノブイリ東海村も、柏崎も、子どもの頃に記録映画で見た広島、長崎の原爆被害の悲惨さも、イタイイタイ病水俣病も、いつか忘れるでしょう。現に、普段は忘れてますよ。
なぜといえば、自分の生活でいっぱいいっぱいだから。自分の身に起きたことでなければ、さらさらと忘れていってしまいます。


それを時々思い出させてくれるものは、かつては報道、出版でした。
報道、出版はすっかり斜陽、みたいな雰囲気の昨今ですが、今後はどうすればいいんでしょう。


きちんと覚えててくれる、賢い人々をtwitterでフォローする、とか?

*1:深海油田開発がよろしくないという論調が主体であって、BPがまいた「コレキシト95000」という処理剤の、今後の環境への影響などには触れてませんでした。