さよなら、アルマ




第二次世界大戦に軍用犬となったシェパード・アルマの一生を描いた小説。
犬好きのだんさんに読ませたら、案の定泣いたそうです。だんさんは子供の頃、犬と一緒に育ったような人なので。
私など、冒頭の見開きイラスト見ただけでくすんくすん泣きましたよ。私もまた、小さな頃に犬と駆け回って遊んだ思い出がありますし、若い頃から「過ぎ去った美しい思い出」みたいなのにめっぽう弱いもんですから。


内容はというと、第二次世界大戦、軍用犬、本のタイトル、だけで、ある程度の察しはつくと思います。
改めて、戦争って動物まで巻き込む悲劇なのですね。そういえば子どもの頃、上野動物園のゾウの話で泣いたことを思い出します(『ゾウのいない動物園』など参照)。




仕事場の近所の公園に、ときどき、シェパードを連れた訓練士さんが来るんです。お利口さんなのはもちろん、生きる喜びいっぱいって感じの可愛い犬で、子供たちのアイドルみたいになっています。こういう光景がずっと続きますようにと、願わずにはいられません。


しかし。
この小説、すこーし、物足りない。内容をふくらませれば、かなりな長編にもできそうなんですが、半日あれば楽に読めるほどの長さ。そして、全体にさらっとした展開、さらっとした感情の起伏。主人公の青年の継母への思いや恋心に複雑な陰影はなく、戦争にも現実感はない。
したがって、大変わかりやすく、後味の悪さもありません。なんとなく、テレビドラマみたいな感じがします。


とか思ってたら、NHKがドラマにするんですと(→公式サイト)。

鋭意制作中の「さよなら、アルマ」は12月18日(土)21時〜総合テレビで放送!
先行して12月13日(月)からは教育テレビで関連番組を放送します。
「アルマの伝説〜君の知らない犬物語」12/13(月)〜16(木)18:55〜 4回シリーズ
「さよなら、アルマ」スタッフブログから)


著者の水野さんって構成作家・脚本家なんですね。そのせいかなあ。