悩ましきEM

名橋「日本橋」を守る会は毎年7月の第4日曜日にこんなことをしているそうです。
「日本橋」がピカピカになった!(JanJanBlog/2010年7月25日記事)


この記事中に出てくる「EMせっけん」は、EM(Effective Micro-organisms=有用微生物群)を配合した環境にやさしい石けん、ということのようです。そして記事中の「大手せっけんメーカー」は、この会社かと思われます。
シャボン玉EM石けんとはシャボン玉石けんQ&Aサイト)


しかしこのEMについては批判も多いようです。
ニセ科学と石けんの諸問題「EM石けんの販売」(株式会社生活と科学社)
有用微生物群「批判的意見」Wikipedia


さて、これをどう考えればよいものか。なかなか難しいところです。私は今のところ、EMは少々過大評価されすぎかなという「印象」を持ちつつ判断保留、です。細かに資料を検討したわけではなく、常識で持った「印象」です。
「健全な水環境では有用微生物群が有効に働いている」≠「有用微生物群を加えれば健全な水環境になる」ではないかな、という印象です。


釣りする人ならわかると思いますが、ある川の魚体数が減ったからと、養殖魚をただ放流するばかりでは、その川は真の意味で豊かにはなりません。本来そこにあるものが、自らの力でうまくやっていける環境を整えるのが本来でしょう。環境が整えば、自ずと魚も増えるでしょう。
魚も微生物も同じ生き物であれば、あながち外れた考えでもないかなと思います。


にしても、こういうPR的な行事には、何かと子どもたちを参加させますね。主催する大人が心から信じている「良き事」であれば、まだましですが、世の中には、何事か後ろ暗いことを糊塗しようとして子どもを持ち出す場合もあるので要注意です。
サケが遡上しない川にサケの稚魚を放す行事とか、安全性に問題ありの発電施設を安全そうに見せる行事とか、環境破壊しまくりのダムのいいとこばっかり宣伝するための行事とか。


いや、もちろんこの行事は、主催する大人が心から「良き事」と信じてのことでしょうけれども。